2021年1月10日
よく見るテレビ『日曜美術館』をみた。へぇー、雪舟が天橋立の水墨画を手掛けたのは、82歳の時なんだって、これは驚き。
雪舟の水墨画は、これまであまり好きではなかったけれど、李さんの説明を聞いていると、なるほどと思った。
ひとつには、実際にはない風景をいくつかの構図を大胆に組み入れて、絵に躍動感、勢いを創っていることだった。コラージュである。単調にひとつの風景だけを描いているわけではないのである。
もう一つ、『破墨山水図』。強い墨の色と、幽かな墨の色。そして絵の境界を越えて、外に飛び出ようとする空白。いや空白ではない、単に色がない存在。色として意識できるものと、色として意識できないもののコラージュ。それがひとつの絵の中におさまっているのである。ひしひしとした緊張感がある。
雪舟が生まれたのは、岡山県は総社市。そうそう小生の小説(文庫本)が総社市さんのご厚意で図書館に寄贈されている。欝々とした青春の真っ只中の人たちの目に触れる機会があれば、望外の喜びである。
