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鱗燦堂
ブログ
2020年06月28日 [鱗燦堂]

やれやれ、いまだコロナ禍やまず

 コロナ禍のなか、じっと息を潜めていた。「ベニスに死す」という映画が思い出された。伝染病で高熱に浮かされた人たちが次々と命を落としていくのである。無慈悲な現象が誤って落とされたペンキ缶のように、すべてを飲み尽くして拡がっていく。そういうわけで、抵抗できるわけもなく、じっとしていた。気持ちはじっとしていた。しかしながら、身体は働きに出なければならないので、用心して動かした。勤務地は東京駅のそばのオフィスビル。
 写真は、日曜日ではない、平日の通勤の時間帯である。はとバス乗り場は完璧に閉鎖中。人っ子ひとりいない。カラスが堂々と闊歩している。大きな道路のガードレールのそばには、「横断禁止」の看板がかかっていた。おかしかった。だって、人なんか、いないんだもん。
 異様な風景。でも、異様と思うのは、人間側だけの話。こころを澄まして聞き取ろうとすれば、静寂の中に、都会のざわめきが聞こえるのかも知れない。
コロナ禍の東京駅付近


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